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魚見桜の蘊蓄 ~平成28年上半期の漁模様~

平成28年(2016年)上半期の漁模様

上城 義信 

 

 大分県日出町は国東半島の付け根にあり、別府市と杵築市に隣接し、南は別府湾に面している。北側背後地は、鹿鳴越山系が連なり、町全体が緩やかな斜面台地となっている。

 町内の各所に湧水地があり、地域住民の飲料水などに使われている。旧城跡近くの海岸海底からも湧水があり、古くから町のシンボルとして愛されている。
 漁業も盛んに行われており、内海水と外海水が交流する別府湾は、地域の人々に多くの恵みを齎している。海の幸として日出町はもちろん隣接する大分市や別府市民の食卓を賑わしてきた。

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                    ビニール紐を噴き上げる湧水 


 現在、町内の豊岡漁港、日出漁港等で水揚げされた魚介類などの水産物はすべて深江漁港内の大分県漁協日出支店が開催する魚市場に運ばれて競りが開かれる。競りは、日曜・祭日を除くほぼ毎朝730分から開かれており、仲買が落札した魚は、一般客は33%程の手数料を払えば買うことができる。

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仲買店の開店に集まる買い物客        競りの様子

 

 一般客への販売は、平成17年からスタートし、すでに10年以上が経過した。

 本報告は、平成28年(2016年)上半期の漁模様について、筆者の調査表を整理して、検討を行った。

 平成28年は、4月14(土)の夜、、県下に震度4の地震が発生し、別府市などでは住民への緊急避難指示が出されたのは記憶に新しい。

 20161月から6月の間の朝市調査データと5年前の20121月から6月の間のデータと比較した。

 表1に、両年の種類別組成の比較を示した

1 水揚げ魚の種類別組成の比較

年次/種類

 魚  類

 甲殻類

 軟体類

 藻  類

 その他

  計

2016

76

8

14

1

2

101

2012

68

11

15

1

1

96

増減

+8

-3

-1

±0

+1

+5

 

 これによると、2016年は、5年前に比べ、水揚げ魚の種類が5種増加した。種類別には、魚類が8種、その他(ウニ、ナマコ)が1種増加し、甲殻類が3種、軟体類が1種減り、藻類(ワカメ)は増減が見られない。

 表2 魚類における上半期のランキング(比較)

年次/順位

1

2

3

4

5

6

7

8

9

 

10

2016

マアジ

マエソ

ボラ

ヒラメ

マダイ

 

コノシロ

スズキ

マルアジ

ヤナギムシガレイ

メバル

2012

マエソ

マアジ

マルアジ

クロダイ

スズキ

ブリ

カワハギ

イシダイ

メイタカレイ

タチウオ

 マアジとマエソの首位攻防は、相変わらず熾烈。2016年は、ボラ、ヒラメ、マダイの台頭が顕著だが、

 2012年に、ランク入りして気を吐いた、ブリ、イシダイ、タチウオはランク外へ後退した。

 写真1: 2016年上半期にランク入りした魚類たち


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   マアジ
ほぼ周年水揚げされ、もっとも安定した魚種。幼魚(ゼンゴ)~中型が多い。

料理法は多く、庶民的。

②マエソ 
ほぼ1年中見られる。漁獲量も多く、小型~大型まで様々。練り製品の原料。ミンチにする。

③ボラ 
春~夏に多い。刺身や味噌煮が美味しい。胃袋は珍味 通称ボラのへそ

④ヒラメ 
近年漁獲が多い。成長が早く、値段は安い

養殖のかぼすヒラメにやや押され気味

⑤マダイ
産卵親魚群が多い。漁期は5~11月と長い。煮付などの総菜むき。比較的安い


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⑥コノシロ 
内湾性で産卵期は4~6月。定置網で漁獲される。塩焼き、酢のもので食べる。コハダ寿司にする。

⑦スズキ 
夏に美味しい。洗いがいい。

最近は、外海系のヒラスズキも多い。アマモ場や河口に出没

⑧マルアジ 
外洋性で、小型底曳網などで漁獲される。マアジに比べ肉質が堅め。

⑨ヤナギムシガレイ

通称みずがれい。

漁獲量は多い。煮付やフライにする。

⑩メバル 
春の始めに多い。煮付、から揚げで食べる。吸いものもいい。

人工魚礁や藻場に住む

 

 

 

表3 魚類以外の上半期のランキング(比較)

/順位

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

2016

ジンドウイカ

コウイカ

サルエビ

ヤリイカ

マダコ

ナマコ

カミナリイカ

アオリイカ

コシダカガンガラ

スルメイカ

2012

コウイカ

サルエビ

マダコ

ワカメ

ヤリイカ

カミナリイカ

ジンドウイカ

ナマコ

サザエ

シリヤケイカ

 

 2016年は、ジンドウイカが大量に揚がり、5年前に比べて激増した。小型のイカ類は、基礎生産力を高める重要な種類である。アオリイカもランキング入りを果たしたが、市場では高値で取引されることから更なる増加に期待が掛る。

 一方、豊漁が続いた、マダコが、第3位から第5位にランクを落とし、セリ場の函数も減少している。

 写真2: 2016年上半期にランク入りした水産動物たち


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   ジンゾウイカ
晩秋から
梅雨が漁期。底曳網で大量にとれる。産業的価値は低い。自家消費する。

 海洋の基礎生産を担う

貴重ないきもの。

 

   コウイカ 
漁期は10月~翌年5月。主漁場は伊予灘。安定した漁獲量を誇る。身は柔らかくて美味しい。産業的価値は大きい。

   サルエビ
5~11月が漁期。小型エビでは最も多い。特に雌はブトと呼ばれ、高値で取引される。えびの天ぷらや干しエビにする。

   ヤリイカ
春に接岸して海草などに卵を産みつける。外套の長さは40cmに達する。鰭は三角形。

 

   マダコ
ほぼ周年揚がるが最盛期は8~9月。産業的価値は大きい。近年は、たこ籠が盛ん。

塩茹でして、酢味噌で食べる。


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   ナマコ
12月中旬~3月中旬が漁期。なまこ桁網や箱メガネで取る。

江戸時代から藩財政を潤した特産品。アマモ葉などが餌。

 

   カミナリイカ
4月~6月岸に寄ってくる。市場では「紋甲いか」と呼ぶ。日出ではキッキョウという。

 

   アオリイカ
5月~11月が漁期。通称は「もいか」。アマモ場に産卵する。イカ類中最も美味とされる。値段も高い。

主漁場は、臼杵・津久見湾以南

   シダカガンガラ
磯や岩礁帯に生息する。近縁種に口蓋の厚いクボガイがある。

 通称、ニイナと呼ばれ

酒のつまみにする

   スルメイカ
外套長は30cmになる。鰭は菱型、外套の1/3.

寿命は一年。

イカソウメンなど生で食べる。いか飯は北海道の特産品。

 

 次に異体類(カレイ・ヒラメ)について、2016年と2012年の上半期(1月~6月)の出現種と順位を示した。

 表4 異体類の上半期ランキング

/順位

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

2016

ヒラメ

ヤナギムシガレイ

メイタガレイ

タマガンゾウビラメ

マコガレイ

アカシタビラメ

クロウシノシタ

モンダルマガレイ

ホンダルマガレイ

イシガレイ

2012

メイタガレイ

タマガンゾウビラメ

マコガレイ

ヒラメ

アカシタビラメ

ヤナギムシガレイ

イシガレイ

 

 

 これによると、異体類の種類は、2012年の7種に比べて、2016年は10種と3種増加した。

 2016年に、第1位(首位)のヒラメは、2012年 は第4位からの躍進で、函数は大きく伸びた。

 第2位のヤナギムシガレイは、20126位から、第3位のメイタガレイは首位からの後退。

 第4位のタマガンゾウビラメも第2位からの後退。2016年、8位のモンダルマガレイと9位のホンダルマはここ別府湾には新顔。共に亜熱帯性種で味は不味い。両種は、1月、2月に水揚げされたが、

 温暖化の指標種とも言える。

 マコガレイは、第3位から第5位への転落だが、水揚げ量はほぼ横ばい傾向で、朝市のセリ場小間から外れた活魚水槽での取り扱いが多く見られた。

 
 

 今期、上半期の特徴としては、1月~2月のセスジボラ、前述のモンダルマガレイ、ホンダルマガレイ。4月のサワラ、5月~6月期に好漁だったウチダトビウオの来遊が挙げられる。

 漁はすでに下半期に入っているが、例年通り秋漁を賑わすイボダイも揚がり始めている。

 引き続き、好漁を期待したい。

 

写真3:朝市へ揚がったカレイの仲間たち


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②ヤナギムシガレイ:

③メイタガレイ

④タマガンゾウビラメ

⑤マコガレイ


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⑥アカシタビラメ

⑦クロウシノシタ

⑧モンダルマガレイ

⑨ホンダルマガレイ

 

 写真4:2016年上半期を賑わした魚たち


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セスジボラ(1月~2月)

サワラ(4月)

ウチダトビウオ(5月~6月) 

 

 なお、平成15年頃から、伊予灘にハモが発生し、10年以上にわたって豊漁が続いたが、紀伊水道(徳島、兵庫)に続き、資源量の減少が目立つようになった。今夏の漁が気になるところである。

 

  平成28(2016)810日   上城 義信  制作

                        松澤 京子  写真撮影

お問い合わせ
農林水産課
電話:0977-73-3127/FAX:0977-73-3169
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