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魚見桜の蘊蓄 ⑤

魚見桜の蘊蓄⑤

殿様魚の栄枯盛衰

 

 慶長6年(1601年)、初代日出藩主木下右太夫延俊が日出城を築城した。同じ頃芽吹いた魚見桜は、眼下に広がる別府湾と日出城天守閣を眺めて大きく生長した。

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 天守閣の真下の海では、海底から真水が湧いており、殿様魚と呼ばれるマコガレイの棲み家となった。そのマコガレイ、1700年~1800年代は、王余魚として珍重され、江戸の将軍様へも献上されたという。大正時代には現代俳句の始祖高浜虚子が「海中に 真清水湧きて 魚育つ」と詠み、一躍脚光を浴びた。


  31回城下かれい祭りオープン

 昭和1112年、木下謙次郎が著した我が国料理本の元祖「美味求真」に初めて城下鰈として登場する。そして戦後の経済成長の時代、グルメブームの波に乗って多くの文化人や食通の人々が日出町を訪れた。

 一方で、マコガレイの棲み場所である浅場や干潟は埋めたてられ、藻場も消滅した。加えて地球の温暖化の加速により、自然産卵による再生産は危機的な状況にある。

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 そんな中、マコガレイを守るため関係者による懸命な活動も行われている。400年にわたる長い年月、その殿様魚を見守り続けてきた初代魚見桜は世代交代した。

 マコガレイも、人工育成魚が城下の海を席捲する時代が訪れようとしている。

  

殿様が愛したマコガレイ

 

平成28521日(土)、小満の朝、桑の葉が茂り、蚕が育ち始める季節、日出魚市場の朝市調査を行った。セリ開始1時間前、の岸壁には朝漁から戻った漁船から魚を運び、せり場の小間は次々と埋められ、満員御礼となった。

 13小間に494函が並んだ。これは前月(4月)に比べて36函少ない。ジンドウイカ、ボラ、コノシロの減少が大きい。一方、種類数は、64種と前月に比べて15種増加した。

 珍しいのは、ウチダトビウオ、ダツ、ヒラスズキ、そしてヒラマサなど。増加は、マアジ、マルアジ。マダイは横ばいが続く。

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  朝漁から戻った漁船              セリ場への運び込み

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 セリの風景                        買い物客の賑わい

 

水揚げ魚ランキング(10傑)

順位

10

種名

マアジ

サルエビ

マエソ

マルアジ

イシダイ

ボラ

コウイカ

マダコ

クロダイ

カワハギ

函数

63

42

35

30

27

22

17

15

13

13

 

5月のランキングを上の表に示した。ベスト10には、魚類が7種、軟体類が2種そして甲殻類が1種入り、第1位から順に、マアジ、サルエビ、マエソ、マルアジ、イシダイ、ボラ、コウイカ、マダコ、クロダイそしてカワハギの順となった。

 旬魚も揚がった。トビウオ科のウチダトビウオ。胸鰭軟条(11)と尻鰭軟条(6)および胸鰭の無色透明が識別のポイント。その昔、豊後水道の水の子でシイラに追われ、200m以上も飛び交う様子を目にした。

 焼くとやや繊維質でパサパサ感があるが、三枚に下ろして厚めの刺身にすると、独特のもちもち感があり、旨みが口中に残る。

 コノシロ(ニシン科)は、初夏が産卵期。小型のものは握り寿司にする。粒が小さい卵は煮付けにする。アオリイカ(ヤリイカ科)も旬魚。鰭がまるく大きい。雄と雌では背中の模様が異なる。

 食用のイカ類では、トップクラスの旨さ。胴を開いて、3等分のサクにする。斜めに包丁目を入れると食べやすい。

 旬の極みは、マコガレイこと城下かれいに尽きる。今朝のセリにも8函が出された。1函当たりのセリ値は、2,000円から2,500円。やや小振りの2歳魚が主体なので、自家用には手ごろな価格だろう。最高値は、ヒラマサの15,000円(1尾あたり)、イセエビも14,000円、サザエは函当たり3,500円の値が付いた。

 初夏の朝、60種を超える魚介類が主役の朝市。今日も多くの朝市を愛する人々が集まってきた。

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